ビジョン心理学のメソッドとテクニック～表面意識、潜在意識、無意識レベルの層に働きかける①
ビジョン心理学のセミナーやトレーニングは、教育のためのプログラム・ワークショップと癒しを目的としたプロセス・タイプのものとのコンビネーションと言えます。多種多様なメソッドやテクニックを用いますが、その中の体験的な側面、変容を促す側面、また教育的な 側面が、個人やグループの変化、癒し、成長にそれぞれ大きな役割を果たすのです。ここではそうした主要なメソッドのいくつか簡単に説明するにとどめます。
- ・アカウンタビリティ
直観を一緒に使うことによって、隠れた動機と問題のダイナミックスを発見する手助けとなります。自らのアカウンタビリティを受け入れると、（自分を責めることも含め）非難を手放すことができ、容易に新たな選択ができます。
- ・先祖の癒し
先祖の癒しは、いろいろなテクニックを使って、家族代々受け継がれてきたネガティブな パターンを変容させ、これにより現在の問題と課題を解消するものです。先祖代々に伝わる パターンは、症状がそれぞれの世代で類似していることもあれば、まったく異なることも あります。
・ミラクルをお願いする
私たちが作り出した最も厳しい状況にあってさえ、天は常に愛を持って援助の手を私たちに差し伸べていると認識するところから、ミラクルはやってきます。ミラクルをお願いすると、私たちは心を開いてそのサポートを受け取ろうと思えるのです。
・絆を作る
分離や問題が解消し、新しいレベルの親密感と成功が表れてくるように、自分自身と他の人の間につながりを作ることです。問題はすべて分離の結果として生じ、従って絆を通して解決することができます。
・センタリング
センタリングは、ハイヤー・マインドに平和や清らかさ、恩恵の場所へ運んでもらうようお願いすることで可能になります。このお願いは、絆が修復され、問題がなくなるまで、そして新しいレベルの愛や幸せが表れて、その状況におけるすべてのものが愛と光に変わるまで、何度でも繰り返すことができます。過去に起きた個人的トラウマを癒すパワフルな手法であり、このようにして現在の問題を解消し、未来を解放します。
・選択
このメソッドは、状況の結果を見れば、私たちがエゴの提案に従ったのか、ハイヤー・マインドの提案に従ったのかがすぐにはっきりわかる手法です。エゴのアドバイスに従った結果、大変なことになってしまったといった状況でも適用できる手法です（エゴが提案する “解決法”は別の問題をもたらし、それがさらに複雑な問題へと発展するのがオチです）。 そんな時でも、ハイヤー・マインドの助けを借りて、新しい選択を見つけることができます。
・コミットメント
ある人間関係やプロジェクトに、完全に自分自身を与えると決意することです。決意すると、それは真実やパートナーシップ、成功や自由をまったく新しいレベルでもたらしてくれます。
・ギフトを受け止め、与える
どんな問題の下にもギフトがあると認識することです。エゴはこの事実を隠そうとしますが、それというのも、ギフトを受け止め、分かち合うと、エゴがその力を失い、少しずつ溶けてなくなってしまうことを知っているからです。ギフトに気づき、それを受け止めると、恨みつらみや防衛心、注意散漫など、エゴがその存在を強めようとして引き起こすことがなくなります。“ギフトを与える”実習では、ギフトを分かち合う行為が他の人たちを痛みや問題から解放し、同時に私たちのそのギフトをさらに強めてくれます。特に先祖の癒し、トラウマやPTSD（心的外傷後ストレス障害）の変容に効果的です。絆の修復のためのエクササイズとして応用してもよいでしょう。
・ビジョンを体験する
ビジョンを受け取ると、答えや方向性、導き、そして目的がまったく新しいレベルでやってきます。願望や意欲、自分自身を開いて受け取り、自分自身を完全に与えることを通して、ビジョンが現れるのです。
・自分の感情を感じる
どんな問題もネガティブな気持ちや感情から起こります。このメソッドは、今自分が感じている感情に気づき、そしてできるだけ早く、強くその感情をただ感じるというものです（ただし、感情を未成熟なふるまいや乱暴な言動によって行動に表すということではありません）。どんな感情を抱いているのかを知ろうと選択し、そこに注意を向けてみることで、私たちは感情を溶かし、感情から自由になることができます。
